5.21.2008

空力性能について

皆様も、 ジャガーXFを試乗しまして高速安定がとても良い事は実感いただけたと思います。とくにXFは、スペック上CD値が0.29で0.3をきっているスタイリング設計なのもすぐれている所なのです。
では、簡単に空力についてお話しさせていただきます。まずは、空気抵抗ですが走行中、空気によって受ける抵抗のことで、空気抵抗が小さいほど加速も燃費も良くなります。空気抵抗は空気抗力係数(cd値)×前面投影面積(S)で求めます。したがって大きなクルマは通常、CD値が小さくても空気抵抗は大きくなります。また、空気抵抗は速度の2乗に比例しますから、速度が2倍になれば4倍の空気抵抗がクルマのボディに加わります。
空力性能については、一般にCD値(抗力係数)が大きく取り上げられます。しかし実際は、CL(揚力係数)、CYM(ヨーイングモーメント係数)も含めたトータルで見るべきです。つまり、空力性能のすぐれたクルマとは、空気力学のあらゆる要素を総合的に追求し、走行抵抗が少なく、高速安定性にすぐれ、風切り音が少ないなど、運転する上で阻害要因の少ないトータルバランスのすぐれたクルマをいいます。また、風は必ずしも前から受けるものだとは限りません。クルマがいろいろな角度から風を受けたときに、その中心軸まわりに回転させようと働く力(直進性を妨げようとする力)がヨーイングモーメントです。したがって、CYM値が小さいと横風にも強くなります。